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甲斐善光寺 ー 戦国時代に信濃善光寺の焼失を恐れ武田信玄公が開基・創建した寺

甲府「板垣の里」に創建され460余年

甲斐善光寺は1553年(永禄元年)に武田信玄公によって開基、創建されました。
これは「第3回川中島合戦」の後になります。武田軍と上杉軍の度重なる死闘を繰り広げた川中島合戦。この合戦によって「信濃善光寺」が焼失する危機に瀕し、信玄公は信濃守護として御本尊阿弥陀如来像のほか、諸仏・寺宝をこの甲斐善光寺を創建し移転させたのでした。
また武田氏滅亡後も徳川家康、浅野長政らの厚い保護を受けました。

武田菱の家紋が屋根上部中央に見える。手前の唐破風部には三つ葉葵の家紋が付いている。

復興に次ぐ復興で今日に至る

甲斐善光寺は江戸時代の1754年に大火にみまわれ、諸堂がことごとく消失。その後も地震、台風などの被害を受け、その度ごとに復興し今日に至っています。現在の甲斐善光寺は1796年に再建されたものです。
金堂は江戸時代、30年という長い歳月をかけて再建されました。この金堂は木造建築としは全国でも4〜5位という規模だとのことです。

有料だが、ぜひ体験していただきたい!

甲斐善光寺に行ったなら有料(500円)だが、ぜひ体験していただきたいこと、それは本堂へ入って正面の拝所で天井を見上げると「鳴き龍」があります。真下で手を叩くとこれまた良い響き。そして本堂奥・裏側に回ると「戒壇巡り」ができます。
戒壇巡りは、真っ暗な中に入って手探りで壁づたいに歩いていき、灯りがみえたら中央部なのだが、あまりに暗すぎて一向に目が慣れず全く何も見えません。初めてだと恐怖さえおぼえますが、さほど長い距離ではないのでご安心を。(全く見えないので常に壁を触りながら進むこと)
携帯などのライトで照らすとご利益が無いそうです。また、「幸福の鍵」というのが真ん中あたりまで進むとあって、それがご本尊と繋がっているので触ると願いが叶うと言われています。
(残念ながら「鳴き龍」など写真撮影は禁止されています)

上記の銅鐘は信濃善光寺から引き摺って運んだとのことで「引き摺りの鐘」として知られています。鎌倉期の梵鐘としては最大級だそうです。

車で来ても善光寺駅から徒歩で来てもこの善光寺につながる道路(善光寺通り)の奥に大きく山門がそびえていて、近づくにつれだんだんその大きさに圧倒される感じがします。
まだ行ったことのない方、ぜひ一度足をお運びください。

【ご参考】

下に掲載したのは長野市にある「信濃善光寺」の写真です。最近行く機会があったので撮影したものですが、本堂の形などよく似ているのが分かります。ちなみにこの本堂は1707年に再建されたものとのことで国宝に指定されています。
元々信濃善光寺ができたのは642年というから「大化の改新」より前になります。とても長い歴史がある寺院です。

国宝である信濃善光寺・本堂
山門(三門)
仁王門

甲斐善光寺
  山梨県甲府市善光寺3丁目36−1 
JR身延線「善光寺駅」から徒歩7分
ホームページ:http://www.kai-zenkoji.or.jp/index.html


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