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甲斐・武田氏の歴史発見 笛吹市石和町にある「成就院」その歴史は甲斐源氏始まりに遡る!

武田信重の菩提寺であり、政治の中心地であった!

甲府市の東に隣接する笛吹市石和町。この地は武田信虎(信玄の父)が甲府・つつじが崎に館を移す前までは政治の中心地であったといわれています。
つつじが崎に館を移す前は現在の甲府市川田町(ここも石和町に隣接していますが)に館がありました。
現在はぶどう畑になっていますが、当時の面影を残す石積みを見ることができます。

川田館跡

これ以前、いわゆる中世にかけて武田信重が甲斐守護(信玄の5代前)であった際、居館を置いたのが石和町小石和というところで現在は「六角山成就院」という浄土宗の寺となっています。
この寺は信重の子、武田信守が父の菩提を弔う為に既存の荒廃した寺を改宗し、寺号も現在のものにし庇護したそうです。

では、元々あった“荒廃した寺”というのが、また興味深い話が残っていて、甲斐源氏は源義清とその息子である清光が1130年に入国し歴史が始まっていくのですが、この息子の清光が開基した真言宗寺院であって、寺号を「清光院」といったそうです。
清光は八ヶ岳南麓の逸見(へみ)を本拠地としていたので石和に寺を開基したというのは不思議な感じがしないでもないのですが・・・。この寺を改宗したのが武田信守ということのなります。

武田信重の墓
成就院の案内看板

武田信玄の時代に甲府へ!

武田信玄は居城である甲府のつつじが崎城下にこの成就院を移し信玄の正室である三条夫人の菩提寺とし法名にあわせ「円光院」と寺号を改称し臨済宗「甲府五山」としたのでした。
笛吹市石和町に残る成就院は少し前までは正直、寂れた感がありましたが現在は改修工事が終わり、武田家の歴史を垣間見れる史跡となっています。

浄土宗 六角山成就院(ろっかくざんじょうじゅいん)
  笛吹市石和町小石和372
JR甲府駅南口から路線バス「奈良原行き」
  小石和下車すぐ

甲府観光ツアー専門.


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甲府のお寺めぐり⑤ー円光院(甲府五山) 武田信玄公の正室三条夫人の菩提寺

甲府五山についてこれまで4回にわたり紹介してきましたが、今回で最後の紹介となります。つつじが崎のふもとにある「円光院」です。
もとは笛吹市石和町にあった成就院を、京都より説三和尚を迎えて開山とし武田信玄公がこの地に移しました。
信玄公の正室三条夫人が逝去し法名を「円光院殿梅岑宗蘤(ばいしんそうい)大禅定尼」と号されたことにより寺名を円光院と改称しました。(三条夫人は1570年7月逝去)

円光院本堂
立派な作りの鐘楼

三条夫人は京都・公家三条左大臣・公頼(きんより)の次女として生まれ、16歳で信玄公の正室となりました。(媒酌人は駿河の今川義元)京の都から甲斐国にきて34年、信玄公に先立つこと3年・50歳で逝去されました。

三条夫人の墓

三条夫人の墓が山梨県指定史跡である旨の碑
左側に三条夫人の法名が書かれている

信玄公が陣中にて逝去した時、武田二十四将の一人である馬場美濃守信春に「刀八毘沙門天、勝軍地蔵尊」の二体の陣中守護本尊を円光院に寄贈を遺命されました。(下写真)

これは甲府市指定文化財になっており、通常4月に行われる「信玄公祭り」に合わせご開帳されます。

木々が美しい庭園
大きな石が組み合わされて置かれている
庫裡
円光院境内からみる甲府市街

円光院は武田神社のほど近くにあるので、神社参拝と合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。

ホームページ:http://www16.plala.or.jp/enkoin/index.html

臨済宗妙心寺派 瑞巌山円光院(ずいがんさんえんこういん)
 甲府市岩窪町500−1
JR甲府駅北口から 武田神社行・積翠寺行 
  護国神社入口下車 徒歩で約15分

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甲府のお寺めぐり④ー法泉寺(甲府五山) 「首級牛蒡」(しゅきゅうごぼう)の話が伝わる武田勝頼の菩提寺

甲府五山の紹介も4回目となります。今回は「法泉寺」のご紹介です。
法泉寺は南北朝時代の初期に武田信武(甲斐武田氏第10代:武田家中興の祖と謂われる)が夢窓国師(夢窓疎石)を開山として建てた寺です。
武田氏歴代の保護厚く、信玄が甲斐五山に定めました。

法泉寺鐘楼門(市文化財指定)
山門をくぐると灯籠が立ち並ぶ

この法泉寺には開基した武田信武と信玄亡きあとを継いだ武田勝頼の墓があるのですが勝頼について「首級牛蒡」(しゅきゅうごぼう)の話が伝わっています。
簡単に説明すると、自害した勝頼の首が討ち取られ最終的に京都六条河原に梟首(さらし首のこと)されたのを悲しんで、法泉寺三世の快岳禅師が京都妙心寺の南化玄興和尚の力添えで首級をもらい受け妙心寺で葬儀を営んだ。さらにその首級を甲斐国へ持ち帰ったが織田勢の目が厳しく、見つかる寸前に山中の民家の縁の下にあった牛蒡(ごぼう)の俵の中へ首級を隠して難を逃れたという話です。
史実では歯髪をもらい受けて甲斐に持ち帰ったようで、この話は「法泉寺ばなし」として伝えています。

武田勝頼の墓 左奥には武田信武の墓が見える。
草木の緑が目に染みる境内

歯髪は境内に一角に埋め目印に山サクラの木を植えたのですが、そのサクラは周辺の桜と異なり吉野山のサクラと同じと言われていて現在も墓の傍に桜の木があります。

ホームページ:http://www4.nns.ne.jp/~hosenji/index.htm

臨済宗妙心寺派 金剛福聚山法泉寺(こんごうふくじゅさんほうせんじ)
 甲府市和田町2595
JR甲府駅南口からバス10分 北中入口下車徒歩15分

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甲府のお寺めぐり③ー東光寺(甲府五山) 雄大な池泉鑑賞式庭園があり平安時代からの歴史を伝える禅寺

今回は臨済宗(禅宗)の甲府五山の一つ「東光寺」を紹介します。
東光寺はJR身延線「善光寺駅」から徒歩15分ほど、甲斐善光寺の西方に位置します。
歴史を辿れば1121年、密教寺院の興国院として開創された後、鎌倉の建長寺を建てた名僧蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)によって改宗し興国禅寺として開創。その後東光寺と改名した歴史があります。

境内の入り口。可愛らしいオブジェが飾られているんですよ。
蓮が飾られていて涼しさを感じさせます。

仏殿(薬師堂)は織田軍の放火でも焼け残り、昭和20年の空襲で本堂など中心部が焼失するなか奇跡的に難を逃れたもので室町中期の唐様建築物として国の重要文化財になっています。

東光寺仏殿(薬師堂)

戦国時代、武田信玄の長男義信は謀反を計画したとのことでこの東光寺に幽閉されたのち、30歳で自害しました。この武田義信のお墓があるとともに、信玄公の側室であった諏訪姫の父・諏訪頼重のお墓も並んであります。

信玄公の長男・武田義信のお墓
諏訪姫の父・諏訪頼重のお墓

この東光寺の魅力として蘭渓道隆が作った池泉鑑賞式の庭園があり、鎌倉時代中期の特徴をついた様式で県の名勝指定となっています。(庭園拝観には300円かかります)また境内にも様々な趣向を凝らした装飾やオブジェがあり心和ませてくれます。

苔玉が通路途中に吊るされていて風情があります。
暑い夏に涼を感じさせる演出。すごくいいですね!
蓮が鉢に植えられて置かれていました。
枯山水。水流を表した砂紋が美しいです。
緑に囲まれた境内通路。

季節によって境内のたたずまいが変わっているので何度も足を運びたくなるお寺です。

ホームページ:https://https://kofu-tourism.com/spot/32

臨済宗妙心寺派 法蓋山東光寺(ほうがいさんとうこうじ)
 甲府市東光寺3−7−37 JR身延線善光寺駅から徒歩15分

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甲府のお寺めぐり②ー能成寺(甲府五山) 整然とした庭園の中で座禅体験ができる禅寺

臨済宗(禅宗)の甲府五山の一つ「能成寺」を紹介します。
能成寺はJR身延線「金手駅」から徒歩で7、8分ほどのところにあります。
木々に囲まれた中に落ち付いたたたずまいを見せる能成寺。参道をしばらく歩くと野面積みの石垣が見え、その石垣に沿って若干の上り坂を進んでいくと寺院の建物が見えてきます。

このお寺は14世紀に当時の甲斐国守護である武田信守が現在の笛吹市に開基、16世紀に武田信玄が現在の地に移されたそうです。武田信守の供養等が富士山を望める場所に建てられています。
緑の木々に囲まれ時の流れもゆっくりと感じられるこの寺では座禅体験ができ、身も心もリフレッシュできます。

座禅の間

境内の随所に趣ある光景がみられ、安らぎを与えてくれます。

能成寺がある付近一体は昔は池で、龍が棲んでいてたまに暴れては洪水を引き起こしていたという伝説が残っています。その伝説を偲んで建てられた碑が建てられています。
又、松尾芭蕉の俳句「名月や 池を廻りて 夜もすがら」と刻まれた句碑も建てられており文学的香りも感じられます。
その他にも虎のようにも見える大きな「虎嘯(こしょう)石」と呼ばれる岩、赤穂浪士・大野九郎兵衛の墓もあり見所豊富です。

ホームページ:https://kofu-tourism.com/spot/35

臨済宗妙心寺派 定林山能成寺(じょうりんざんのうじょうじ)
 甲府市東光寺町2153  JR身延線金手駅から徒歩7、8分

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甲府のお寺めぐり①ー長禅寺(甲府五山筆頭寺) 五重の塔がシンボル 信玄公の母大井夫人の菩提寺 

皆さん「甲府五山」ってご存知ですか?
武田信玄公が京都五山、鎌倉五山にならい臨済宗(禅宗)の五つの寺院を五山と定めたものです。
今回はその甲府五山筆頭の寺「瑞雲山長禅寺」を紹介いたします。

東京方面からJR中央線に乗っていると甲府駅に到着のため減速し始める付近で右側に五重の塔が見えます。それが長禅寺です。

五重の塔

このお寺は元々は現在の南アルプス市にあり、信玄公が現在の場所に移しました。(南アルプス市の長禅寺は今では古長禅寺と言われています)
信玄公の母、大井夫人の菩提寺であります。
また信玄公はこの長禅寺で儒学、修禅、治国の基本を学んだ所であるとともに、この長禅寺で出家をして“信玄”の法号を授けられたのです。(それまでは武田晴信でした)

三重の塔、後方には五重の塔が見える

本堂北側の桜林の中に大井夫人のお墓があるとのことでお参りをしようとしたところ、入り口に看板があり現在は“通行をご遠慮ください”とのことでした。

左手から回り込めば通路の上部に出れますので大井夫人のお墓にたどり着けます。

大井夫人のお墓

広い境内は手入れが行き届き、木々の緑が五重の塔、三重の塔と相まって悠久の歴史を感じずにいられない寺院です。
甲府駅から徒歩で10分程で行けるのでぜひ訪れてみてください。

大井夫人の霊廟(みたまや)
境内の木々が美しい

文化財:絹本著色武田信虎夫人像(国の重要文化財)
紙本著色渡唐天神像(県文化財)
大井夫人の墓
ホームページ:https://kofu-tourism.com/spot/34

臨済宗妙心寺派 瑞雲山長禅寺(ずいうんさんちょうぜんじ)
 甲府市愛宕町208  甲府駅北口から徒歩10分
  

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